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社交ダンスの種目と特徴

社交ダンスの種目は全部で10種目あります。大きく二つに分けて、スタンダードモダン(5種目)とラテンアメリカン(5種目)の10種目です。その他にも、初めての方や初心者の方でもその場で踊れるような、大変踊りやすいとされるパーティーダンス(4種目)があります。

それぞれのダンス種目と語源、ダンスの特徴を紹介します。

スタンダードモダン(5種目)

ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ、ヴェニーズワルツ(ウィンナーワルツ)

いずれもお姫様ドレスで踊るクラシカルな雰囲気ただよう踊りです。

【ワルツ】
123,123・・とゆったりとした三拍子のリズムを十分に使って、滑らかな回転を継続して踊る、優雅な踊りです。オーストリアの「レントラー」という民族舞踊が起源だと言われています。

約1910年、テンポの早い「ウィンナーワルツ」(ヴェニーズワルツ)がスローテンポへと変わり、同時にステップも変わり「ボストンワルツ」にになりました。今のワルツがこれです。

ワルツ独特のムーブメント(動き)は、身体は上下にゆるやかな波状運動をたえず起こします。ステップの原動力となるひざと足首の使い方が重要です。時計の振り子のように、屈伸してもバランスを崩さない程度の力をひざと足首をつかって身体全体を横にスイングさせるように送り出せば、ワルツらしい踊りになります。

【タンゴ】
テンポのよい2/4拍子または4拍子の音楽にのって踊る、歯切れのよいシャープで情熱的な踊りです。もともと「タンゴ」はスペインに伝わるもので、それが120年前アルゼンチンに広まり、アルゼンチン生まれの「ミロンガ」が「アルゼンチン・タンゴ」になりました。

やがて、ヨーロッパに伝わり「コンチネンタル・タンゴ」となり、それが洗練されて社交ダンスのタンゴに分類されました。

ブラジルのサンバなどとは別の、ワルツやフォックストロットと同じモダン種目に属しているのはちょっと意外な感じがしますけど、タンゴは意外にもヨーロッパの風を受けているので、モダン種目に入っていても不思議ではないわけです。

男女ともひざを軽く曲げ、重心を低くして踊ります。身体はきれのある動きをこころがけます。女性が首を激しく右に向けるのが特徴で、他の種目にはない首使いをします。

【スロー・フォックストロット】
ゆっくりな4拍子の音楽にのって踊るダンスです。ゆっくりとした動きの中に途切れず流れるような特徴を持つ踊りです。

「カッスル夫妻」という夫妻のダンスが始まりです。1911年、アメリカからフランスに渡った夫妻は、パリにある有名なカフェで踊る機会を得ました。そこで、夫妻はラグタイムという音楽に合わせて、歩くように自然に踊りました(カッスルウォーク)。

当時、パリではダンスの難しさに頭をかかえていたようです。この夫妻のダンスを見た当時のパリの人達は驚愕したことでしょう。そして、あっという間に「カッスルウォーク」はパリ中に広まりました。

「カッスルウォーク」の広まりにより、ダンスは自由な方向へと進んでいき、ホーストロットやターキートロット、そしてフォックストロットといった動物の動きを題材にしたダンスが生まれました。

1914年、アメリカに戻った夫妻がバンドツアーをしている頃に、「カッスルウォーク」がキツネの忍び歩きに似ていることから 「フォックストロット」と呼ばれ、踊りが確立されたそうです。

スロー・フォックストロットは全般的に両足はそろえずにウォークし続けるのが特徴です。女性が後退するステップが続きます。 とまることなく流れるように後退しつづけるので、女性にとっては難しい種目の1つとも言えるでしょう。

足の裏をよくつかって、トウ(つま先)からヒール(かかと)まで押し出すように丁寧にゆっくりと踊ることがポイントともいえます。

【クイックステップ】
早い4拍子の音楽にのって踊る、軽快でスピーディな踊りです。ハリウッド版「Shall We Dance」のラストシーンで登場しました。

スローフォックストロットの速い版と言えるクィックステップは、1923年、アメリカのバンドが非常に早い「フォックストロット」を演奏したところ、テンポが速すぎて、今までの「フォックストロット」では踊ることが難しかったそうです。

そこで、1924年イギリスのダンス教師協会は、「フォックストロット」を「スローフォックストロット」と「クイックステップ」の二つに分けたそうです。

ホップするステップが多いのが特徴です。走るような動きになるので、体力も必要とします。跳ねるような動きなので、体全体がぶれがちですが、ぶれることなく保つのがきれいに見える秘訣です。

【ヴェニーズ・ワルツ】

軽快な3拍子の音楽にのって踊る、クルクルと回る軽やかな踊りです。簡単にいえば「早いワルツ」。基本的には3種類のステップから構成されています。

1750年頃、ウィーンの宮廷内で、アルプス地方に伝わる民族舞踊「レントラー」が踊られ始め、「ワルツ」と呼ばれるようになったようです。

1814年、ナポレオン戦争の終結後、ウィーン会議の舞踏晩餐会で、この「ワルツ」が踊られ、会議の終了後、各国に戻ったヨーロッパの代表者たちにより、ヨーロッパ中に広まりました。このウィーン発祥のワルツが「ウィンナーワルツ」または「ヴェニーズ・ワルツ」と呼ばれています。

     

ラテンアメリカン(5種目)

チャチャチャ,ルンバ,サンバ,パソドブレ, ジャイブ

組んだり離れたりすることが多い自由なスタイルの踊り、露出が多い衣装で男女の情熱的な踊りが魅力です。

【ルンバ】
少しゆっくりめの4拍子の音楽にのって踊る、男女間の愛の葛藤や恋の駆け引きを表現する愛の踊りです。

両足を鎖でつながれた黒人奴隷が、遠くから聞こえるトムトムの太鼓の音に合わせて踊ったのがルンバの起源だと言われています。

1916年頃にキューバのアフリカ系住民の間からおこり、1930年代アメリカ、ヨーロッパに普及したと言われていますが、その曲で踊られたのは、今パーティダンスに区別されている「スクエアールンバ」です。

競技のラテン種目であるルンバは、元々キューバで踊られていた黒人達の野性味あふれるダンスがキューバン・ルンバです。ゆっくりとしたテンポの音楽で踊る、愛のダンスです。

繊細で哀愁に満ちた音楽に合わせ、やわらかいヒップの動きややしなやかな手の動きやポーズ、愛の物語を表現するムーブメントはスクエア・ルンバにはない華やかなものです。

スクエア・ルンバと区別するために「キューバン・ルンバ」と呼ばれていましたが,現在では「ルンバ」という呼び方が一般的になっています。 足を鎖に繋がれているので、物思いにふけったり、休んだりという意味で1がお休みになったそうです。

【チャチャチャ】
早いリズミカルな4拍子の音楽にのって踊る、明るく陽気な雰囲気の歯切れの良い踊りです。

ルンバの応用編みたいな感じです。発祥は南米のキューバ。メキシコのあるバンド・リーダーが、メキシコに伝わる民謡のリズムにヒントを得て、1955年に発表した「マンボ」の一種です。

各小節で「チャチャチャ」というはやし言葉が入るので、こう呼ばれるようになったと言われています。「チャチャチャ」は、アメリカからイギリスに伝えられ発展し、世界各国で踊られるようになりました。

ルンバが原形となっており、ステップやポーズ等、基本的なことはルンバと同じです。

しかしながら、ルンバが4拍子の音楽に対して「2・3・4 ~1」と3歩でステップするのに対して、チャチャチャでは4拍子の音楽に対して「2・3・4・&・1」と5歩でステップし、曲テンポも早いので運動量も多くなります。

楽しく踊るコツはとにかくあせらずあわてないこと。ルンバよりややテンポが速いうえにときおり、小刻みにロックやシャッセが入るため急ぎがちになりますが、 一歩一歩をできるだけしっかり見せて踊るのが重要です。男女が手を上げて開く「ニューヨーク」はとくに人気のベーシック・ステップです。

【サンバ】
2/4拍子の音楽にのって踊る、流れるように動き続ける,情熱的な踊りです。

起源は、アフリカから来たと言われ、ブラジルの代表的な踊りです。サンバのバウスアクション(膝と足首を曲げては伸ばす、曲げては伸ばす)という独特な動きが特徴です。

サンバはリオのカーニバルなどで踊られている、エネルギッシュで華やか、そして独特のリズムを持ったダンスです。カーニバルの「サンバ」と社交ダンスの「サンバ」とは違い、現在社交ダンスで「サンバ」と呼ばれているものは、上流階級が舞踏会で踊る室内用のサンバ「マシシ」をベースに、庶民的な「サンバ」が融合したものなのです。

サンバはバウンスという独特の動きがあり,習得するのがなかなか難しいです。ひざと足首の屈伸によって生じる上下動をボディの伸縮によって調節します。しかし上体はぶれないように踊るのが特徴で肩や頭の位置はやや波打つ程度に抑えるのが正しい踊り方です。

【パソドブレ】
2/4拍子の音楽にのって踊る、スペインの闘牛士の勇敢な姿を元にして作られた力強さが感じられる踊りです。

男性が闘牛士(マタドール)、女性は闘牛士が持つ赤い布(ケープ)になったり、又は牛を表現して踊ります。闘牛士の入場音楽が舞踏曲となり、やがて民衆にも踊られるようになったと言われています。

1920年代、「スパニッシュ・ワンステップ」というステップが生まれ、「パソドブレ」のベースとなり、 フランスで現在のようなダンス形式になったとされている。このダンスのポーズの中には,フラメンコのテクニックも取り入れられています。

パソドブレの最も大きな特徴は,他のラテン種目は女性が主役であるのに対して,あくまでも男性が主役になる点です。

【ジャイブ】
凄く早い4拍子の音楽にのって踊る、軽快で素早く、コミカルな楽しさが特徴の踊りです。

元々は、奴隷が足に鎖を付けたまま熱い鉄板の上で踊った踊りと言われています。1920年代、ジャズが大衆化された中、女性を左右に振る「リンディホップ」というステップが流行り、1930年代に、ジャズにスウィングが入るようになってリズムが複雑化していくと、「リンディホップ」も複雑化していき、「Jitterbugジッターバグ(南京虫))」という名前で踊られていったそうです。

この「ジッターバグ」が日本では「ジルバ」、イギリスでは「ジャイブ」と呼ばれたそうです。

発祥地アメリカから英国に渡ったジルバが,歩数やリズムを改良されてジャイブが誕生しました。音楽はジルバと同じロック系またはスイング系のビートのきいた音楽が合います。

   

パーティーダンス (4種目)

ブルース、ジルバ、マンボ、スクェアールンバ

初心者でも簡単に踊れるパーティのためのダンス。文字通り「社交」を深めるためのダンスといえるでしょう。

【ブルース】
ゆっくりとした4拍子の音楽にのって踊る、ジグザグ歩きのような踊りです。

パーティではスロー・フォックストロットの曲で踊ることがあります。初めての方でも、すぐに踊れるようになります。イギリスでは、スローリズムというそうです。

【ジルバ】
4拍子の音楽にのって踊る、軽快で明るい踊りです。

ジャイブと同様に「ジッターバグ」が語源らしいです。第二次大戦後、アメリカで流行し世界中に広まったものです。

アメリカ人は、Jitterbugの「T]の発音を「L」のようにしますので、「ジッターバグ」が「ジラバグ」、そして、「グ」はあまり聞こえないので、「ジラバ」となり、段々と「ジルバ」になったそうです。

現在でも根強いファンが多いためダンスパーティでは必ずと言ってもいいくらいにジルバの音楽がかかります。ジルバを競技用にしたのが、ジャイブです。パーティではクイックステップの曲で踊ることがあります。

     

【マンボ】
4拍子の音楽で男性と女性が対面して踊ります。キューバで生まれました。

キューバの原住民と黒人の混合リズムから、ジャズの演奏法によって作られたそうです。これも、比較的踊りやすいです。

マンボはリードがありません。男性がステップを踏んだ直ぐ後に、女性が男性の足形を真似します。これを繰り返すことによって踊りを継続しますので踊りやすい曲といえるでしょう。

【スクェアールンバ】
4拍子の音楽にのって踊り、男性と女性が平行に向かい合って、四角形を保ちながら踊るルンバです。

使われる音楽は、キューバンルンバよりもスクエアールンバの方が少しテンポが早めです。男女が離れて踊るので、リードなどの心配がなく、初心者でも踊りやすいといえるでしょう。スクェアとは、「四角」という意味で、ボックスルンバとも言います。


2009/07/08 社交ダンスの基礎知識 トラックバック:- コメント:1


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2012年10月12日 編集












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